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古都漫道日記
(番外編)
カフェ・スノーマン
 ジョッチェンというエリアに「スノーマン」というカフェがある。
 この店はミニコミ仲間に教わったのだが、「地球の歩き方」にも載っているようで、日本人には人気の店のようだ。

スノーマン  場所はダルバール広場の南側、いわゆるFreak St.を下がって少し左に入ったところにある。見た目は地味で暗く、開いているのかいないのかさえ判然としない。しかしドアを押して中にはいると、そこには古き良きアメリカを思わせるシックな空間が広がっている。
 通りに面した木枠のウィンドウには、7、8種類のケーキが飾られている。白い皿に載った円形のケーキは、3/4ほど残っているものもあれば、おおかた削られて細い扇形になっているものもある。注文に応じて、ここから切り出してくれるのだろう。

 中は明るいとはいえない。しかし太陽がカッと照りつけてくる屋外から入ってくると、その暗さが体の火照りを冷ましてくれる。陰気さはなく、乾いたセピア色が渋い。テーブルの濃い茶色と、天井から吊り下げられた白熱球の黄色が、淡い暖かみを放射する。
 決して広くはない。4人掛けのテーブルが5つあるばかりだ。しかし内装がシンプルなせいか、空間がゆったりしている。店の奥に据えられた1対のスピーカーからは、抑制のきいたジャジーな西洋音楽が流れてくる。
 古びた冷蔵庫と重たげな羽根をつけた扇風機の横に、マスターの座る木机がある。これもまたチョコレート色で統一されている。背後の壁には、昔、小学校にあったような懐かしい黒板が掛かっており、メニューが白墨で書かれている。

 ミルクコーヒーを飲みながら、新たに流れてきたレゲエ調の音楽に耳を傾ける。
 リフレインがエンドレスのように何度も何度も繰り返されていく。この店も、まるで100年も前からここにあって、変わらぬ佇まいをみせているような気分になる。レゲエのリフレインを聞きながら、コーヒー色の椅子にしばらく身を沈めた。

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