遙かにバルカン
ウィーン〜イスタンブールの旅日記
〈復刻版〉
20数年前の学生一人旅
欧州とアジアのはざま
198某年 316日( 10日め
 列車の遅れにより、ブルガリアの首都ソフィアに着いたのは昨夜の9時半。インフォメーションが閉まっていたので町の中心付近を歩いてみたけど、泊まれそうな宿は見つからなかった。駅にもどると、これから夜行でイスタンブールに向かうという日本人のグループに遭遇。旅は道連れとばかり、同行することになりました。
〈トルコ〉
 国境駅でのパスポート検査は駅舎。いったん列車の外に出て並ぶ。雪が降ってる。ここまで来て雪を見るとは思わんかった。
アイコン 両替 $20 → TL 12,875(TL=旧トルコリラ)[*1]
*1, 旧トルコリラ:トルコでは2005年1月1日にデノミが実施された。デノミ以前の単位は〈旧トルコリラ〉、デノミ以後の通貨は〈新トルコリラ〉と呼ばれることになった(100万旧トルコリラ→1新トルコリラ)。その後、新トルコリラはあらためて〈トルコリラ〉と改称されたようだ。
 この旅日記ではいちいち「旧」を付けると煩雑なので、単に「トルコリラ」と呼ぶことにする。
出費チケット:国境→イスタンブール TL 5,600(約1,400円)
 国境を越えて朝になると、辺りは緑の大平原! なだらかな丘のある地形が延々と続いたが、12時半ごろトルコ時間から大平原が現れ、地平線を見た! 羊が所々で群れていた。とてものどかな車窓の風景。
 昨日ソフィアで買ったゆで卵2つとオレンジを食べた。もう何も残っていない。イスタンブールに着くのをひたすら待つのみ。しかし、どうまちがって、こんな辺境に来てしまったんだろう。外は少し寒そう。
 午後2時か3時頃、列車はイスタンブールに到着しました。
 
イスタンブール
ウィキペディアにあった周辺地図を貼っておきます。

地図を表示

 ソフィアの駅で会った4人とHotel Mula[*2]を探す。しかし、そこは満室で、近くの宿を2軒教えてもらう。2軒のぞいて、最初の方に決める。3人+1人+1人に分かれる。
*2:彼らがガイドブックか何かで目星を付けていた安宿。
 2日ぶりの宿にほっと一息。シャワーも浴びれるし、うれしい限り。
 思えばベオグラードを出発したおとついの3時ごろからほとんど列車に缶詰。48時間ぶりのフリー。
 みんなで海を見に行く。アジアまで行って[*3]、駅の近くの食堂。
 夜は東大、東外大などに多摩美の人が加わって飲み。10時3分に停電。宿で同室の人は上智にいたことがあるというカナダ人と、東京を知っていて日本語ぺらぺらのイギリス人。寿司についてかなりの通で、ぼくはまったくついていけない。
 飲み会はとっても面白かった。
*3, アジアまで行って:自分でも意味不明……。
出費
・昼メシ TL 1,100(約300円)
・ジュース TL 260
・飲み TL 545

アイコン今日のリラ残 5,120
 (4トルコリラ=約1円)

アイコントルコ入国時の残高
・シリングの余り:S 151.70
・ディナールの余り:Din 236
・トルコリラの余り:TL 7,275
・ドルキャッシュ残:$97
・ドルT/C残:$500

317日( 11日め/イスタンブール
 洗濯をしたあと、一人でブランドバザールをのぞく。縦横に走る廊下沿いに貴金属店がずらりと並ぶ。そこを出てぶらぶら歩くと、オベリスクの広場に出た。少しひやかし歩き、その辺りでメシ。
 しばらく歩くとブルーモスクにたまたまぶつかり、中を見る。中はほとんどがらんどうなので、少しがっかり。ホテルにもどる道を歩いているとソフィアから一緒に来た一行を見つけたので合流。再びブルーモスク。そのあと、トプカプ宮殿。

 晩は近くのレストランで、ホテルが閉まる直前の1時前まで喋っていた。

※固有名詞や用語がいろいろ出てきますが、とりあえず雰囲気だけ感じておいてください……。
アイコン 両替
$20 → TL 12,870(4トルコリラ=約1円)
出費
・朝メシ(トースト)TL 100
・オレンジ TL 80
・昼メシ ?
・晩メシ TL 1,700
アイコントルコリラ残:TL 15,100
318日( 12日め/トルコ → ブルガリア
 ブルガリアの首都ソフィアの駅でたまたま出会った日本人4人とイスタンブールにやってきたのが2日前。トルコに来るのはまったく予定外だったので、そろそろ東欧旅行にもどることにします。
 起きたら9時を回っていた。3人の部屋ではみんな起きていた。すぐ身支度をして隣のじゅうたん屋へ。荷物を置いて朝メシ(スープとチャイ)。
 そして、300年の歴史をもつという本場のトルコ風呂[ウィキペディア]へ。マッサージと垢落としでTL 3,500。かなり高い。別の風呂では痛いほどこすられたと聞いたので覚悟して行ったが、まったくそんなことはなく、逆にすごくあっけない。垢も全然落ちてない料金は見学代がほとんどといった感じ。
 4人でぶつくさ文句を言いながら帰って来た。そこで昼メシ。ぼくはビザとチケットの手配があるので居残るが、残りのメンバーはアヤ・ソフィア[ウィキペディア]へ。
出費
・朝メシ TL 220くらい
・トルコ風呂観光 TL 3,500
・宿代 TL 2,000
・小さいじゅうたんマット $ 20
 3時に旅行社の人が来たので、チケット[*4]を買う。出発まで若干の時間があるので、そこの子とゲームを8回。4勝4敗で、結局引き分け。4時少し前に向かいの店で荷物を取りに。
 4時半ごろに迎えのタクシー。バスは5時すぎ入線。しかしバスに乗り込んだのは5時45分。買い物をして来なかったので、腹がへったら困るな。
*4:ここに書いた「チケット」とは、セルビアの首都ベオグラードまでのバスのチケットのこと。列車はさすがに飽きたのでバスにした。それに、バスのほうが速い。
出費バス:イスタンブール → ベオ $20=TL 6,040
 7時にガソリン・スタンドで10分間の停車。ビスケット2本を購入(TL 300)。8時5分前、ドライブインのような場所で休憩。
 ・乾パン TL 120
 ・オレンジ2個 TL 200
 10時半トルコの出国側の国境。また窓口に並ぶ。
 午前1時10分、ブルガリア側の入国の荷物検査が済み、出発。
2版/2010.5.23